個人事業主を始めるために(3) 仕訳の話
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青色申告申請書を税務署に提出したら、実際に個人事業主として商売を始めます。
仕事をすると、色々な取引が発生します。
収入、仕入れ、交通費、文房具や機材の購入、接待などなど...
これら取引は、先にご説明したfreeeなどの会計ソフトで管理します。
日々の取引のことを、簿記の世界では「仕訳」と言います。
青色申告の場合は「複式簿記で台帳を作ること」と決められています。
例えば「仕事をして1万円もらった」場合は、
- 売上が10,000円あがった
- 現金が10,000円増えた
というように、2つの視点から金額が増えた減ったという風に記録します。
日商簿記の試験を受けた(受けようとした)人だとわかると思うのですが、実はこの「売上」「現金」という単語(勘定科目と言います)の使い分けが難しい。
この取引の場合、勘定科目は何になるのかとか...
例えば「お金が入ってきた」というだけでも、
- 売上高
- 雑収入
- 事業主借
- 立替金
- 短期借入金
- 仮払金
- 預り金
- 仮受金
- 元入金
- 仕入高
etc...
ここが「青色申告が難しい」と言われるところなんですよね。
で、僕が今やっている仕訳は、こんな感じです。
税務署の人に聞いて「問題ない」と言われてるので、たぶん大丈夫だと思います。
- 撮影の仕事の売上 → 売上高
- クラウドワークスでのタスクの売上 → 売上高
- アルバイトの給与 → 事業主借
- 撮影や打合せに出向いた時の交通費 → 交通費
- 打合せの際のお茶代 → 交際費
- 文房具類の購入 → 消耗品費
- 30days Albumやfreeeの使用料 → 通信費
- 携帯電話の使用料 → 通信費
僕の場合は、事業用に専用の口座を2つ(ジャパンネット銀行、楽天銀行)を持っているので、上記の取引に対して
のどれかの残高が増えたり減ったり、という感じになります。
ちなみにクレジットカード決済は、ジャパンネット銀行のVISAデビットカードで決済するようにしていますが、どうしてもクレジットカードでの決済が必要な場合は個人のクレジットカードで決済して「現金」で仕訳ています。
同じく交通費についても、事業用のSuicaを用意していないので、「現金」で仕訳ています。
注意が必要なのは、アルバイトについては雇用形態をとるため、事業所得として取り扱わないというところです。
なので「事業主の個人資産から借りた(事業主借)」と仕訳ます。
アルバイトの記事でも書きましたが、最近は日雇い派遣でも源泉徴収が普通なので、その点でも事業での売上と明確に分けて仕訳る必要があります。
同様に、株で儲けたとかも事業所得にならないので「雑収入」として別に仕訳る必要があります。